スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

2013.1.3投稿記事

鼻中隔軟骨

鼻中隔軟骨は上顎骨の成長中心として、重要な働きを持ちます。
特に、上顎骨の側方の成長に大きな影響を与えます。

鼻中隔軟骨が上顎骨の成長に与える影響を考えるとき、犬が良い例となります。
ほとんどのテリアやブルドックは、軟骨無形成症(achondroplasia)の遺伝子を持っています。
このため、あの独特のくしゃっとした顔立ちになるのです。
これは、鼻中隔軟骨の形成不全によって起こります。

骨の形成と軟骨の形成では、栄養障害があった場合の様相が違います。
一般的に、骨形成時に必要な栄養が不足している場合、その大きさには影響が出にくいのですが、骨密度が疎になったり、厚みが薄くなるといったことが起こります。

一方で、軟骨の場合は栄養不足によって形成そのものが阻害されます。
すなわち形成不全が起こるため、正常な大きさに成長できなくなるのです。

軟骨の成長に鉄は特に必要なミネラルであるという事は以前書きました。
そして、人間は鉄の吸収が難しく、どんなに良い条件でも30%を超えて体内に取り込むことは出来ません。

そして、消化管が未発達である6歳までは、特に鉄を食事から取り込むことが困難です。
しかし一方で、6歳までに脳はほぼその大きさにおいて成長を完了し、上顎骨の幅径の成長も9割がた終了します。

そうであるから、胎児は母体から出生までにありったけの鉄をもらって生まれてくるのです。

もし、妊娠時の母体に十分な鉄が無かったとしたら…
出生後にこのハンデをカバーすることは、ほぼ不可能なのです。

というわけで、不正咬合は遺伝ではなく、環境要因によって起こります。
この環境要因とは、主に妊娠時の母体の栄養状態(と、恐らく父親の栄養状態も)が、密接に関係しています。

不足することで大きな問題が起こる栄養素は、何も鉄だけではありません。

一般的に、妊娠時、授乳時、成長期、病中・病後の回復期などは、通常時に必要な栄養以上の特別な栄養を必要とするとされています。
その量は、通常時の2~4倍と、一般的には言われています。

伝統的な生活を送る原住民の多くは、結構前の女性に6か月間特別な栄養を摂らせます。

不正咬合は予防可能であり、その予防は妊娠前から始めなくてはなりません。

真の予防歯科とは、こういう知識を啓蒙し、実践していくことをいうのです。









スポンサーサイト

2012.6.4投稿記事

不正咬合の環境因子

前回はヨーロッパで発展した成長誘導という矯正治療(顎顔面整形治療)について書きました。
今回は、環境が及ぼす因子について、もう少し検討します。

人は生まれると、まずは母親の母乳を飲んで育ちます。
母乳を飲むとき、赤ちゃんは下あごを一生懸命動かして、お母さんの乳首をしごいて乳を搾ります。
これにより、赤ちゃんのあごの筋肉は鍛えられます。

一方、哺乳瓶中心で育てられた場合、赤ちゃんは軽く吸うだけでミルクを飲むことが出来るので、あごの筋肉が鍛えられません。
このような育てられ方をした赤ちゃんは、離乳後も咀嚼力が弱く、固いものを避けるようになります。

赤ちゃんは母乳を飲むことで成長に必要な栄養素を摂取するのみならず、母親と密着し、直に肌と肌とが触れ合う中で、母親の愛情を感じます。
これが十分に得られることで、その後の心身の発達に良い影響が生まれます。
逆にこの時期に十分な母親とのスキンシップが得られないと、情緒面の発育に障害を残す危険があります。
愛着の不足は、心理的に強い不安をもたらし、情緒が不安定になってしまいます。

犬と一緒にするのはどうかとは思いますが、犬も出生後8週間は親と一緒に過ごすことによって、大切な情緒の形成が行われます。
情緒の形成と、社会性を学ぶ時期に早期に親から離されると、情緒不安定になり、しつけによってコントロールできなくなってしまいます。

母乳による保育は、栄養的には離乳食を摂取できるようになる1歳未満で必要なくなるのかもしれません。
しかし、愛着と情緒の形成においては、2歳くらいまでは母乳を与えるのが良いといわれています。

この時期に早期に離乳すると、心理的不安から、指や布などをしゃぶるようになります。
実は、指しゃぶり自体は殆どの赤ちゃんで普通にみられるものです。
しかし、愛着の形成が不十分で、心理的不安が大きい子の場合、しばしば長期にわたって続く、やめさせるのが困難な指しゃぶりへと発展します。

3歳を過ぎて指しゃぶりをしている場合、不正咬合との関連が強く示唆されます。
この時期は乳歯列なので、乳歯の不正咬合というよりは、顎骨の発育異常が惹起されるということです。
指しゃぶりをやめさせるのがしばしば困難な理由は、乳児期からの育て方にその根本的な問題があるからです。

これから母親になる人、または現在育児中の方は、この愛着と情緒の形成の重要性を理解していただきたいです。
将来の顎口腔系の正常な成長・発達を考えた時、乳児期から必要な指導を行うことが予防歯科にとって重要なのです。








2012.6.3投稿記事

不正咬合は遺伝か、環境か

予防歯科を考えるにあたり、不正咬合にならないように、成長期の顎口腔系の正常な成長・発育を促すべきであると、前に書きました。
もし不正咬合が環境要因によってのみ起こるのなら、咬合に影響を与える環境因子を特定し、排除すれば良いことになります。

一方遺伝というのは、遺伝子によって親の形質が子に伝わることであり、骨格的形態の特徴も、当然遺伝します。
ハプスブルク家の反対咬合で有名ですが、不正咬合には遺伝的要因があるということは、公然の事実のようでもあります。

このことは古くから矯正の世界では論争の的で、様々な角度から研究が行われてきました。
現在でも不正咬合の成立が遺伝か、環境かに対して結論は出ていません。
しかし、その両方が相互に関係しているようだとは、共通の認識となっているようです。
問題は、どっちの要因がより大きな影響をもっているか、でしょう。

歴史的に、アメリカでは遺伝的影響を重視し、ヨーロッパでは環境的影響を重視します。
これは、治療学と密接に結びついているからです。
アメリカでは、アングル先生の功績であるマルチブラケット装置による治療が、矯正治療の王道であり、必然的に矯正治療は永久歯列中心に行われてきました。
マクナマラ先生が有名な、「混合歯列期の矯正治療」を出版した時、アメリカでは成長誘導の考えは非常にマイナーだったのです。

翻ってヨーロッパでは、二度の大戦争を経て、深刻な不況からの復興という状況から、貴金属を多用する機械的歯列矯正が普及しなかったという背景もありますが、成長誘導の考え方が一般的でした。
フレンケル、ビムラー、クローザットなど、装置の名前を聞くだけでヨーロッパの人だなってお分かりだと思います。

現在では永久歯列におけるマルチブラケット装置による治療は世界共通ですが、咬合誘導においては国ごとに差があり、また国内でも矯正科医によって温度差があるという状況です。

成長期における咬合誘導において、環境的要因を重視し、積極的に咬合誘導を行うことを提唱する人たちがいます。
イギリスのJhon Mew博士が提唱した、フェイシャル・オーソトロピクスという概念です。
これは、ある意味ヨーロッパで発展してきた咬合誘導の考え方を総合的に体系化したものだと考えてよいでしょう。

僕も常に不正咬合の成因と予防法については思いを巡らせていますし、実際の臨床でも試行錯誤しています。
でも、予防歯科を目指す歯科医師の人たちには、ぜひこの咬合誘導という考え方を、もっと深く知ってもらえたらって思います。

Jhon Mew博士の代表的な著書は「バイオブロック・セラピー」です。
とても分かりやすい良い本なので、ぜひ一度読んでみることをお勧めします。








2012.5.25投稿記事②

アボリジニーとBegg

ベッグテクニックで有名なベッグさんですが、今日ベッグテクニックはほとんど見かけなくなりました。
なので、ベッグさんを知らない人も多いのでは?
という訳で、ベッグさんのアボリジニーの研究について書きます。

ベッグさんはオーストラリア出身の矯正科医で、アングルさんの弟子でした。
ベッグさんはアングルさんの元を離れ、オーストラリアで矯正専門医になるのですが、ベッグさんがアングルさんの元にいた頃は、アングルさんがまだエッジワイズ装置を開発する前で、ピンアンドチューブ装置を使っていた頃だったので、ベッグさんはそのテクニックを持って、オーストラリアに帰り、その装置に改良を加え、ベッグテクニックが出来ました。
…話が逸れましたね。

ベッグさんはオーストラリア人だったので、アボリジニーに目が行くのは当然だったのでしょう。
矯正科医の間で、アボリジニーに不正咬合が非常にまれであることは、この時代でも有名だったんじゃないでしょうか。
アボリジニーの顎骨模型を観察していたベッグさん、あることに気が付きます。
それは、アボリジニーの成人の歯が、著しくすり減っているということです。
カンガルーなどの野生肉を調理せず、そのまま食すアボリジニーの人の歯は、すごくすり減ります。
そこでベッグさんは、「アボリジニーに不正咬合が無いのは、歯の咬耗が起こるからだ!」とひらめくのです。
アボリジニーの人は咬耗のために、自然に歯(の幅径)が小さくなるので、不正咬合にならない、しかし現代人は調理・加工された食物を食すために、咬耗がほとんど起こらない。
だから現代人は不正咬合になるのだ、とベッグさんは考えました。
咬耗が起こらない現代人には、咬耗で得られるスペースの代わりに抜歯が必要であるとベッグさんはいいました。

このベッグさんの考えの背景には、師匠であるアングルさんの思想が影響しています。
アングルさんはエッジワイズ装置を考案して、「現代矯正学の父」と呼ばれる、とっても偉い人です。
しかし、反面アングルさんは非常に頑固な人でもありました。
アングルさんは、「人は生まれながらにして、調和のとれた形態を持っている」と考える人でした。
なので、不正咬合は元々の骨格に問題があるわけではなく、歯の位置が悪いために様々な問題が起こるのだ、と考えました。
だから、決して抜歯することなく、歯を本来あるべき位置に並べることが出来る、と考えていました。

アングルさんが現役のころから、抜歯治療の必要性を訴える人はいたのですが、アングルさんはこれらの人々を徹底的に排除しようとしました。
だから、アングルさんの弟子が抜歯治療を唱えることは禁忌だったのです。
しかし、アングルさんが退いた後、アングルさんの一番のお弟子さんであったツイードさんが、抜歯の必要性を訴えだしました。
ツイードさんが抜歯治療の正当性を証明するために用いたのが、セファロ分析です。
そう、アングルさんが現役のころはまだ、レントゲンが無かったんですね。
その後、レントゲンの登場と、セファロ分析の発展の中で、骨格の成長に対する理解が深まっていきました。
現在では、抜歯治療は必要なオプションとして認知されていますね。
…また話が逸れたようです。

ともあれ、ベッグさんはアボリジニーに不正咬合が無いのは、咬耗のせいだと考えました。
しかし、プロフィットさんに言わせれば、アボリジニーに不正咬合が無いのはほかの理由からだそうです。
アボリジニーの人がカンガルーの肉を食べるとき、あごの筋肉のみならず、首や肩の筋肉も積極的に使って肉をかみ切っています。
アボリジニーの人にとって食事とは、上体の筋肉をフルに使う作業なのです。
この”あごの筋肉”というところがポイントなのではないでしょうか?
すなわち、小さいころから固いものでも何でも、しっかりとよく咬んで食べる、という生活習慣こそが、不正咬合の予防に大事なのではないかって思います。








プロフィール

さとうながお

Author:さとうながお
さとうながおの館へようこそ!
このブログはFacebook長尾周格投稿記事をまとめて掲載しています。
Facebookで読みそこなったあの記事、もう一度読みたいあの記事を検索するのに便利!
さとうながおファンの皆様には必見のブログです。

なお、当ブログに掲載されているスポンサー広告は、さとうながお及び記事の内容とは一切関係ございませんの下ご了承ください。

歯医者が虫歯を作ってる

新品価格
¥1,404から
(2014/5/5 20:24時点)


最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。