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2012.11.29投稿記事

歯科治療とインセンティブ

今日は、日本の歯科医師たちが治療に対して持つインセンティブについて書こうと思います。
インセンティブとは経済学用語で、
「人の意欲を引き出すために外部から与える刺激」
のことです。
日本の、特に保険歯科診療におけるインセンティブはどうなっているのでしょうか?

患者さんはお口の中に何か疾患(むし歯や歯周病など)ができて、歯医者にかかります。
患者さんは、歯医者は自分の口腔内の疾患をきちんと治療してくれると信じています。
まあ、何が”きちんと”した治療なのかという事も、話せば長くなりますが。
とりあえず、きちんとした治療というのは、医学的に整合性のとれた、長持ちする治療という事にしておきましょう。

ここで歯医者の気持ちになって考えてみてください。
ここでどういった治療をするべきか?と。

もちろん患者さん的には、きちんとした治療を望んでいます。
そして、その歯医者はいわゆる”きちんと”した治療がどういう治療か知っていることとします。
(実際は、最新の科学的根拠に基づく予知性の高い治療というものを、日本の歯医者の大半は知らないんですが)

目の前の患者さんに治療を行う際、どういう治療を行うべきか。
きちんとした治療には手間暇も時間も専門的技術もお金もかかります。
一方、最低限度の患者さんの主訴を改善する程度の治療にすることもできます。
極端にいうと、むし歯の治療に対し、カリエス(むし歯になっている部分)を完全に除去しなくても、患者さんにはわからないという事になります。
どういった治療をするかは、歯医者しだいなんです。

まず、日本の保険医療制度において、治療に対する診療報酬は全国一律同一料金です。
なので、どこで誰が治療しても、治療費は一緒という事になります。
20年のキャリアを持つベテラン歯科医師でも、新卒のペーペーでも、治療費は一緒なんです。
家賃や人件費が日本一、いや世界一高い東京で治療しても、北海道の田舎で治療しても、治療費は一緒です。

個々の歯科医院は道楽やボランティアで運営されてるのではありません。
あくまでビジネスとして、歯科医院は経営されています。
ビジネスである以上、利益を上げる必要があります。

ビジネスの原則として、売上が同じなら、原価(コスト)を下げるほど、利益が大きくなります。
歯科診療においては、コストを下げる最も効果的な方法は、手を抜くことです。
逆に手をかけきちんとした治療をしようとすればするほど、コストは上がり下手すりゃ赤字になります。

でも、治療の手を抜いたら患者さんが怒ったり、訴えられたりするのでは?とお思いですか?
そもそも、患者さんは自分の口の中でどういった治療が行われているか、まず知ることはありません。
患者さんは専門家ではないし、そもそも治療中の口の中を見ることすらできないのですから。

基本的に歯医者において、治療は請負契約ではなく、準委任契約という扱いです。
請負契約とは、治療の結果に対し報酬を得る契約に対し、準委任契約とは治療行為に対し報酬を得る契約であり、結果に対し何の責任も負いません。
ですから、治療行為さえ行えば、治ろうが治らなかろうが歯医者にとってはどうでも良いという事になるのです。

でも手抜き治療じゃすぐに詰め物・被せ物が取れたり、痛くなったりして長持ちしないのでは?と思われる方もいるでしょう。
でも、詰め物が取れたり痛くなったりすれば、また治療が必要になり、歯医者としてはまた治療費が取れるという事になります。
歯医者にしてみれば、すぐにダメになっても全然困らないどころか、むしろ”おいしい”わけです。

それでも患者さんは治療したところがすぐダメになったら、その歯医者の治療が悪かったと思ってその歯医者にはいかなくなるだろうし、悪い評判が広がってその歯医者はつぶれるだろうって思います?
もし世の中がそうなっていれば良いんですけど…

治療したところがまた痛くなり、同じ歯医者にまたみてもらったとします。
そうしたらその歯医者はこう言うでしょう、
「あなたの歯磨きがきちんと出来ていないから、またむし歯になったんだ」と。
そしてご丁寧に、プラークを赤く染めだしたりして、歯磨き指導までやってもらえるかもしれません。
そしたらきっとこう思うんではないですか?
「この歯医者さんは熱心で、歯磨き指導までしてくれる良い歯医者だ」って。

一方きちんと治療したらどうなるでしょう?
たとえ利益を犠牲にしても、良い治療をすれば何か報われるのでしょうか?

まず、長持ちする治療をすると、その患者さんは長持ちする分、当分来なくなります。
保険診療中心で診療を行っているのであれば、保険で定期検診や歯石取りで患者さんを呼ぶことは出来ません。
いわんや、むし歯の本当の原因である「糖質(砂糖や異性化糖)の過剰摂取」を患者さんに教えて、本当に摂取を控えられたら、新たなむし歯も出来なくなります。
そうすればもっと歯医者には来なくなっちゃいますね。

歯医者にとっては良い治療、きちんとした治療を行えば行うほど、利益は減り患者は減り、貧乏になっていくのです。
逆に、すぐには気付かれない程度に上手く手を抜いておけば、利益も上がるし患者さんも定期的に通院してくれます。
そうして、儲かる歯医者、成功する歯医者になっていくのです。

歯医者にとって、歯科治療に対するインセンティブはどのようなものかお分かりいただけたでしょうか?
どうして虫歯や歯周病の原因や予防に歯磨き(プラークコントロール)が最重要でなくてはならないのか?
どうして日本で予防歯科が普及しないのか?
どうして巷で一般的に行われている予防歯科というものが、定期検診とプラークコントロール、それに基づく歯石取りやPMTCだったり、フッ素塗布だけなのか?

それは、歯医者のインセンティブを知ることで分かってもらえたことでしょう。









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