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2012.11.11投稿記事

原因と結果

必然とは、結果に対し必ずその原因があることを言います。
世の中の大半の物事は、偶然ではなく必然であり、その結果の陰には原因が潜んでいます。
必然をコントロールするためには、結果と原因との因果関係をよく理解しなくてはなりません。
そして、望ましい結果を得たいなら、望ましい結果をもたらす原因を生み出し、望ましくない結果をもたらす原因を除去するべく努めるべきです。

この原因と結果というのは、必ずしも一対一の関係ではありません。
一つの結果には複数の原因が関与しているのが普通であり、また、一つの原因から複数の結果が生じることもあります。
そしてそれは、望ましい結果もあれば、望ましくない結果であったりします。
その結果の一つがまた新たな原因となったりもします。
このように原因と結果は複雑に入り組んで物事が動いていくのです。

また、原因と結果はほとんどの場合、逆もまたしかりではありません。
これはよく混同され、誤った行動の原因になったりします。

歯科における良い例として、虫歯や歯周病と、プラークの関係があります。
虫歯や歯周病に罹患している患者さんの口腔内を観察すると、多量のプラークの付着を認めます。
一方、虫歯も歯周病も無く健康な口腔内を持つ人(特に原始的な生活を送っている原住民)の口腔内にはほとんどプラークの付着は認められません。
この場合、虫歯や歯周病に罹患している(原因)ことで、口腔内にプラークが多量に付着している(結果)ことになります。
しかし、この逆は真ではありません。

すなわち、プラークが多量に付着している(原因)から、虫歯や歯周病に罹患した(結果)ではないのです。
何故そうでないのかは、以前の僕のウォールや当医院のブログを読んでいただければ良いのですが、残念なことにこのことに気づいていない歯科医師があまりに多いことも事実です。
これを勘違いしているからこそ、虫歯や歯周病の予防には、プラークコントロールが最重要だという主張が生じるのです。

似たような例として、口呼吸と不正咬合があります。
一部の不正咬合、特に上顎前突や開咬と口呼吸の関係は良く知られています。
これも、上顎前突や開咬がある(原因)ために、口呼吸(結果)が生じているのであって、逆ではありません。
ですから、口呼吸を矯正し、正常な鼻呼吸を営ませることによって、不正咬合が改善するという訳ではありません。
そもそも、口呼吸というのは哺乳類では正常な状態ではありません。
何らかの原因で正常な鼻呼吸が阻害されたために、代替的に口呼吸を行っているに過ぎません。
そしてその原因がまた、不正咬合をも結果として招いているのです。
その原因が取り除かれない限り、口呼吸を鼻呼吸に矯正することすらできないでしょう。

こういったことは何も歯科界だけでみられることではありません。
世の中には同じような例がたくさん見られます。

僕がこのことを思うとき、象徴的な事柄としてよく思い出すのが、アメリカのイリノイ州の事例です。

アメリカ教育省は1990年代後半に、「初等教育の縦断的研究(ECLS:the Early Childhood Longitudinal Study)」と呼ばれる画期的な調査をしました。
これは2万人以上の幼稚園児から小学5年生までの、勉強の勧め具合を縦断的に計測しようという試みでした。
ECLSのデータから、家に本がたくさんある子供は本が無い子供よりも試験の点数が高いという事がわかりました。
一方相関関係が認められなかったのは、ほとんど毎日親が本を読んでくれる、という事でした。
もちろんその他の非常に詳細なデータがベースとしてある中で、相関分析を行って得られたデータです。

このデータから、学校に入学する前の子が生息する家庭に、片っ端からトラックいっぱいの本を送りつけようと考えた人がいます。
2004年、イリノイ州知事のロッド・ブラゴジェヴィッチ州知事は、イリノイ州に住む子供全員に生まれてから幼稚園に入学するまで毎月1冊ずつ本を送るという計画を発表しました。
イリノイ州で生まれた子供はみんな、学校に上がる頃には家に60冊の本があり、みんな学力が向上したかというと…
残念ながら、1年に2600万ドルもかかるこの計画は議会の承認を得られず、実行されませんでした。

しかし、仮に実行されたとしても、思うような結果は決して得られなかっただろうと、シカゴ大学のスティーブン・レヴィット教授は言います。
「ECLSから得られたデータからは、子供の学力と相関関係にあったのは、”親が何をしたか”という行為ではなく、”親がどうであったか”という状態である」と述べています。
すなわち、家に本がいっぱいある家では、本の知識が魔法のように子供の頭の中に吸い込まれるのではなく、親の知的水準の高さを表しているにすぎないということです。
その他のデータからも、親の知的水準の高さと子の学力レベルの相関をはっきりと示しており、また出生後の育て方は、たとえ子供が養子に出された場合でさえ、子供の学力レベルに相関を示さないことが明らかになったのです。
なので、ほとんど毎日親が本を読んでも、行為は知的レベルに影響しないのです。

原因と結果は様々に絡み合いながら互いに影響を与えるものです。
しかしその解釈には、十分気をつけなければいけません。









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